合成ゴムって歴史が意外と浅いのです。 20世紀に入ってからの話です。
工業的に使えるものの開発は1930年前後といわれています。
ドイツは 1934年にブナNの開発に成功しています。
一方アメリカは1940年に合成ゴムの開発をしています。
これは時期的に植民地政策や戦争と関わっているようなんです。
当時はゴムと言えば天然ゴムでした。天然ゴムはゴムの木(へベア)から採れ、南米ブラジル原産です(諸説あり)。
20世紀初頭には、マレーシアやシンガポールにたくさんのゴム農園(プランテーション)が広がっていました。今でも、タイ・マレーシア・インドネシアが天然ゴムの生産上位国です。これは、イギリスがアマゾンからゴムの木の種を持ち帰って植民地であった東南アジアに移植を進めたからなんです。
逆に東南アジアに生産拠点を持たないドイツやアメリカは、化学的に作れる合成ゴムの研究を進めていたのです。
その後きな臭い時代に入りますが、ゴムは重要な戦略物資だったそうです。確かに車も飛行機もゴムがないと動きません。第二次大戦が始まると、日本が東南アジアに勢力を伸ばし、まずマレーシアやシンガポール(のゴム園)を占領してしまいました。
それでは天然ゴムが手に入らないと困ったアメリカは、国家を挙げて合成ゴムの開発生産に力を入れたというのです。
ほんとかな~というお話ですが、ゴム知識の研修時代に聞いた話です。
歴史の裏にはそんなこともあるんですね。
スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発は今でも覚えています。
1986年のことですからもう20年以上前になります。衝撃的でした。
原因はフッ素ゴムのOリングが低温のために凍結して弾性が無くなり、シールができなくなったことです。そのためにタンクの液化燃料がもれて引火したのだそうです。
フッ素ゴムは耐油性・耐薬品性・耐熱性に優れますが、低温性が弱く氷点下で弾性が悪くなります。マイナス30度くらいになるとカチカチに凍ってしまいます。実際お客様からもご相談を受けることがあります。
科学の粋を集めても時には思いもよらないことが起こります。
「失敗学」という学問があるくらいです。
ゴムと一口に言っても種類はいろいろあり、用途、温度や使用条件で適するゴムはそれぞれ違います。
ゴムの選定は非常に大事です。
何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
この間、「ゴムの寸法が違う」とお客さんから電話がありました。
よく聞いてみると、寸法が大きくなっている、手に持った感じが柔らかい・・・
「あ、これは・・・」とピンと来るものがありましたので、さらに調べてみました。ゴムの材質はウチのEPDMベースのゴムで、シリコングリスを塗って組み立てているということ。週末につけて放置していたようだということ。
どうやらグリスがゴムの中に入り込んで膨張したようです。寸法が変わったのもそのせいです。持った感じが柔らかいのもそのせいなのです。
一般にEPDMという材質のゴムは油(鉱物油)に弱いのです。シリコングリス・シリコンオイルもEPDMの種類によってはゴムの中にグリス・オイルがしみこんで膨潤します。だから持った感じが柔らかく感じられるのです。中にはゴムから薬品が抜け出すこともあります。
解決策としては組み立て時にできるだけグリス・オイル類を使わないこと。もし使うなら事前に十分テストして確認すること。問題ないレベルと確認されたら、使用は少量にとどめ、長時間(休みの日とか)ずっとグリス・オイルに漬けておかないこと。
実際に使っておられるグリスやオイルをお借りできればこちらで試験することもできますし、アドバイスができます。もしそういうことでご懸念がありましたらご連絡ください。