力を加えると大きく変形し、力を除くと元の大きさに戻ります。このような性質を「ゴム弾性」と言います。ゴム弾性はゴムにしかない性質です。
ゴムを作っている基本の粒子はひも状(高分子と言います)になっています。ゴムはひも状の分子(粒子)が丸まって出来ているため、力が加わると変形します。ただ、生ゴム(※1)は分子同士の結びつき(架橋)が無いので、変形はしても元の形には戻りません。そこで生ゴムに「加硫」という方法(工程)で人の手を加えて、分子同士の結びつきを作ったものを加硫ゴムと呼びます。
加硫ゴムはその結びつきによって、力が加わり変形しても元の形に戻ろうとする力が働くようになるのです。
※1 高石工業では「生ゴム」は原料ゴムに薬品を加えた、加硫する前のゴム
(未加硫ゴムともいいます)のことをいいます。
※「塑性変形」:力を加えると変形し、力を取り除いても元の形に戻らない性質
「弾性変形」:力を加えると変形し、力を取り除くと元の形に戻る性質

ゴムの弾性を強くするのに「加硫」という工程があります(「架橋」ともいいます)。ゴム材料に硫黄を混ぜて熱を加えると、ひも状の分子が結びついて網目状になります。加硫したゴムはよく伸び縮みし加工もしやすくなります。
大きく分けて天然ゴムと合成ゴムの2種類があります。それぞれいろいろな使われ方をするので、そこからさらにいろいろなゴムの種類に分かれます。
天然ゴムは南米のアマゾンや東南アジアにあるヘベアというゴムの木の樹液(ラテックスといいます)でつくられています。合成ゴムは石油を精製したときにできるナフサが原料でつくられます。
◇ゴムができるまで(合成ゴム)
例えば、水道の蛇口の中に使われています。水が漏れないようにする大事な役割です。他にもガス器具や油圧機器などいろいろな使われ方がされています。
どんな用途があるか
原料はどちらもナフサで出来ていますが、化学組成が違います。最近ではゴムかプラスチックかが見た目では判らないものもあります。ゴムとプラスチックの大きくちがうところはゴム弾性があるかないかです。
実はもともとの語源は同じなのです。ゴムとガムは読み方がちがうだけですし、グミというのはドイツ語でゴムという意味なのです。
グミは果汁などをゼラチンで固めたもので、お菓子の一種です。
輪ゴムは天然ゴムで出来ています。
ちなみに...ガムも消しゴムも天然ゴムで出来ています。消しゴムは最近、ゴムみたいなプラスチックで出来ているものも多いです。
カーボンブラックというものを混ぜて作っているからです。
カーボンブラックはゴムを強くするための補強剤として使います。それが黒い色をしているので黒くなるのです。
ゴムがヨーロッパに紹介されたのは15世紀の終わりごろです。
こういう歴史を経て、ゴムは私たちの生活のいろいろな場面で活躍しています。
最も数多く使用されるシールのひとつで、![]()
油圧・空圧機器などあらゆる業界で使用されています。
シールに方向性が無く、運動用・静止用どちらにも対応し、
広範囲の圧力に使用することができます。
断面がOの形をしている為、Oリングと呼ばれています。
(詳しくはこちら)
電気・電子機器における特定有害物質使用制限による指令で、2003年2月「WEEE指令※」と共に公布、そして2006年7月1日にRoHS指令が施行されました。
次の6種類の有害物質は「閾値※」を越える物は認められません(危険とし使用禁止)。
※用語説明
「WEEE指令」
"電子・電気機器の履きに関する欧州議会及び理事会指令"について回収、リサイクルの再利用率の目標を定めています。
「閾値」
一定の量まで示さないことを「閾値(しきいち)」といいます。
RoHS指令における「閾値」は最大含有許容濃度です。
高石工業では専門機関に定性分析を依頼し、6物質を使用しておりませんという証明を行っています。「定性分析」とは、材料に閾値を定めその物質が閾値を超えないか否かを判定します。
ゴムの配合に使う薬品の中に6物質は含まれていませんが、不純物として検出されることがあります。ごく微量なため、閾値を超えることはありません。
現在(2009年2月)では主なコンパウンドのうち、25種類試験に出して、その報告書を保管しています。お客様にはそのコピーをお渡しします。
中世のヨーロッパでは手紙を封筒に入れて封をするときに、蝋(ろう)を使っていました。蝋を使うことでぴったりと貼り付けることができたからです。
この糊代わりに使っていた蝋のことを「シール(seal)」と呼んでいました。このことから封をする(中身がもれないようにすること)を「シールする」と呼ぶようになったといわれています。
●ブリードとブルームについて
ゴムに混ぜられた配合剤が結晶化したり液体となって表面ににじみ出てくることがあります。
にじみ出たものが粉であればブルーム、液体であればブリードといいます。
右の写真はブルームしているゴム(左)としていないゴム(右)の比較です。
下の方に見える白い横線はシャープペンシルの芯です。
● なぜ起こるのか?
ゴム製品を作るときは、まず原料ゴムに加硫剤などの各種配合剤を混ぜ合わせ、
ロールで練ることから始まります。このロール練りではゴムの温度が高くなるため、
各種配合剤は溶けています。
この練られた材料に熱と圧力を加えて加硫成形したあと、
製品となったゴムが常温に戻ると、溶けていた配合剤の一部が固まってきます。
この固まったものがゴムの表面に出てくることがブルームやブリードの原因です。
これは加硫が不足していた場合や加硫した直後に急激に冷したときなど、
加硫の工程中にも起こる場合があります。
またロールで練った後、そのまま放置しておいた未加硫ゴムでも起こることがあります。
ブルームやブリードは化学反応しきれなかった配合剤なのです。
● ブリードやブルームしやすいゴムの種類はある?
● ブリードやブルームはゴムに悪影響か?
ブリードやブルームが出たからダメとは一概には言えません。
基本的には少しのブリードやブルームでしたら性能には影響しないと思われます。
ただこれはご使用環境によって変わりますので、ブリードやブルームが見られた場合は
購入されたメーカーさんに問い合わされることをお勧めします。
水道回りお風呂回りなどに使用されている黒いパッキンには、「カーボンブラック」という補強剤が入っています。こういったゴムは水道水に入っている塩素(次亜塩素酸ナトリウム)や熱に弱く、長期間の使用により劣化してしまいます。
劣化すると配合されているカーボンブラックが溶け出し、
水道水に混じってカーボンブラックが流れ出てきます。
これを「墨汁現象」と呼びます。
近年では地球環境が悪化すると共に水質も悪くなってきています。
それに伴い水道水の殺菌効果を高めるために塩素濃度をあげています。
塩素濃度を高くしたことが原因でパッキンの劣化、カーボンブラックの溶け出しが以前よりも早くなっています。
また、通常使用されている水道水は常温で使われますが、
シャワーや湯沸かし器は高温のため塩素による攻撃を受け易く、
パッキンの劣化を早くさせています。
ただ一見すると見た目の悪い「墨汁現象」ですが、これは「パッキンの寿命だから交換しましょう」という、サインでもあります。
もし、「墨汁現象」が見られましたら速やかにパッキンの交換をしましょう。
髙石工業の捉え方については、
「研究開発型ブログ「伸縮自在」」内の「 EPDMの耐塩素効果について」を、ご覧下さい。
ゴムやプラスチックの加工の際、使用される機械をオープンロール(※)といいます。
ゴム部品製造工程において、ロールを使用しての練り作業は素練りと混練があります。
まず素練りとは、ロールを使用することによってゴム材料に力を加え、ゴム分子同士の結びつきを断ち切り、加工しやすいゴム、薬品が混ざりやすいゴムにすることです。
混練りとは、素練りした原料ゴムと配合された薬品を混ぜ合わせることをいいます。
混練りすることによって、薬品がゴム材料に均等に混ざるようにするのですが、
ゴム材料によって練り方が異なったり、判断基準が難しい為ロール作業者は熟練の経験が必要です。
下の図は、高石工業で一番サイズが大きい18インチロールの混練りの様子です。
![]()
混練したゴム材料はロールを使用し決められた厚み、長さにシート状に加工します。
(高石工業では分出しといいます。)
このように、ロールを使った作業といってもさまざまです。
ロール作業はゴム材料を薬品と混ぜ合わせるだけでなく、ゴム製品を製造するのに最適なコンディションに持っていく大切な工程のひとつです。
そして、ロール作業者の熟練した経験は会社のノウハウとなって、私たちのゴム材料は安定した品質を保っています。
右図はカラー配合のゴムや試作の際に技術部が使用する
6インチロールです。
※オープンロールはミキシングロールと呼ばれることもあります。
塑性変形とは、物体に力を加えて変形させた後、力を取り除いても元の形に戻らず変形したままの状態になることを言います。
また、弾性変形とは物体に力を加えて変形させた後、力を取り除くと元の状態に戻ることを言います。
分りやすい例で言うと、ゴムが弾性、粘土が塑性の性質を持っています。
加硫していないゴム(未加硫ゴム)は、塑性変形をするので力を加えると変形し、元の状態には戻りません。
ゴムは加硫することによって分子同士が結合(架橋)し、引っ張ると伸び、放すと元の状態に戻る弾性変形へと変わります。
分りやすい図は「ゴムって何?」の「どうして伸び縮みするの?」をご覧下さい。
未加硫ゴムと加硫ゴムについては「伸縮自在ブログ」の「未加硫ゴムと加硫ゴム」ヘ
「シリコーン系グリス」は「シリコンオイル」にいろんな添加剤を加えたものです。
添加剤は粘度を増すため入れる増稠材や、酸化を防ぐために入れる酸化防止剤などです。
(ちなみにシリコンオイルはシリコーンゴムの分子量が小さいものです。
そのためシリコーンゴムにシリコンオイルを塗布するとゴムがオイルを吸収してしまいます。)
当社で取り扱いのあるNBR、EPDM、シリコーン、フッ素、の4つの材料では、
一般的にNBRには耐油性があり、EPDMにはそれがないと言われています。
しかし、シリコーン系グリスに浸した場合は一概にそうともいえません。
NBRでも膨潤や収縮することがありますし、EPDMでもほとんど膨潤・収縮しないものもあります。
したがってやってみないとわからないというのが正直なところです。
基本的には純度100%であるシリコンオイルで膨潤・収縮の値が小さければシリコングリスでも問題はないといえます。ただし加えた添加剤によって問題が起こることもないことはないので注意が必要です。
また、「このグリスを使ったときに膨潤しないだろうか?」という疑問をお持ちの場合は、グリスそのものを(100mlくらい)弊社まで送っていただければ、浸漬試験をさせていただきます。ご遠慮なくお問い合わせください。
Xパッキンは断面がアルファベットの「X」になっているパッキンで、![]()
4つのリップがあることが特長です。
別名、「Xリング」と呼ばれるこのパッキンは、主に運動部分に使用されます。
XパッキンはOリングに比べて次のような特長があります。
1)Oリングより低いトルクでの運動が可能。
2)接触圧力が小さくなることで磨耗性が低くなり、耐久性に優れる。
3)リップとリップの谷間に潤滑材がたまり逃げにくい。
反対に短所は、剛性がなく高圧用途には適さないことと、組み付け時にねじれを生じやすいことです。
Xパッキンと同様の使い方をするものにUパッキンもありますが、
「両圧(2方向よりの圧)がかかる時に漏れにつながる」
「組み付け時に方向性が出る」
などが気になるときはXパッキンの採用をお勧めします。
私たちのXパッキンは、シングルレバー混合水洗、シャワーの調圧弁などにご採用いただいています」。
Uパッキンについては「製品紹介」の「Uパッキン」へ
飲食物、あるいは飲食によっておこる衛生上の危害を防止する目的でつくられた法律です。
水栓関係、浄水器等の水回り製品業界のお客様からご要望があり、私たちのゴム材料(コンパウンド)には食品衛生法に適合しているものが多数ございます。
公的試験機関に依頼し食品衛生試験を経て、試験報告書を取得することによって食品衛生法に適合していると位置づけております。
お客様からご要望がありましたら、試験報告書(下図)のコピーを送らせていただくことで対応させていただいております。
お客様のお探しの性能でご要望に沿ったコンパウンドをご提案させていただきますので、
どうぞお問合せ下さい。![]()
食品衛生試験は、昭和61年厚生省告示第85号(※1)によります。(但し使用温度が100℃を超えない資料)
(※1)ゴム製器具、包装容器はもともと告示第20号により定められていましたが、溶出試験法などが不適当のため、昭和61年に告示第85号で改正が行われました。現在では、ゴム製品全般の規定が告示第85号となっています。
PRTR制度とは、「Pollutant Release and Transfer Register」の略であり、「化学物質排出移動量届出制度」、「環境汚染物質排出移動登録制度」と訳されます。
どんな種類の化学物質が、どこから、どのくらい大気中や河川、土中など環境中へ排出されているか、また廃棄物として移動しているかを把握し、その結果に基づいてさらなる安全管理を行うことを推進する制度です。
日本では、1999年に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善に関する法律」として法制化されました。
日本のPRTR制度では、表1に掲げる化学物質354種類のうち一つでも年間使用量が1㌧以上( その中で発がん性があるとされる物質は年間使用量が0.5㌧以上 )を扱う事業者は排出量と移動量を行政機関に届け出ることが義務付けられました。
この制度の問題点は、排出量や移動量を規制するものではなく、届け出さえしていれば1t以上の使用が可能であることや、放射性物質は規制の対象外であることがあげられます。
PRTR法に関する髙石工業の取り組み
髙石工業は住宅街の一角に本社工場があります。
そのため影響があるとされている特定化学物質を排出する量を少なく抑えるように努めています。
・ 購入している原材料はすべてMSDS(製品安全データシート)を取り寄せています。
・ MSDSに記載されているPRTR対象物質の含有率から当社の取り扱い量を計算し、年間の特定化学物質の使用量を把握しています。
・ 現在のところ髙石工業で年間の特定化学物質使用量が1tを超えるものはありません。